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2024/10/26

1on1で目標達成する組織をつくるには?中小企業の1on1の効果を高める目標管理OKR

中小企業の企業の社長様とお話をすると、

・事業計画書を作っても全然達成できない・・・。
・社員が自立的に行動してほしい・・・。
・モチベーションが低く、離職が多い・・・。

といったお悩みをよく耳にします。

社員の成長や離職率の低下、事業目標の達成など、業務成果をあげるために、中小企業も1on1を導入する企業が増えていますが、なかなか成果があがらない企業も多いです。

1on1で成果が上がらないのは、そもそも立てた目標が適切でないことが多々あります。

そこで今回は、適切な目標設定・目標管理を行い、中小企業が1on1で成果をあげるポイントをお伝えしていきます。

1on1とは

1on1とは、
上司と部下が人間関係を築きながら成果をあげる全体のプロセス
のことを言います。

1on1というと、一般的に上司と部下の1対1の面談をイメージしますが、面談以外の時間も1on1に含まれます。

1on1は、1on1ミーティング
1on1ミーティング以外の場(以下「場外」
に分かれます。

1on1ミーティングとは、上司が部下の育成や目標達成を目的として、定期的・継続的に行う個人面談です。

通常30分~1時間ほどの対話を月1回~2回、業務として定期的に行います。

ミーティングの場で部下の経験学習を引き出し、成長を図るだけでなく、
双方向コミュニケーションが生む創造的アイデアで部下の目標達成を支援します。

場外とは面談以外の場のことで、
上司が部下の成長や信頼関係を醸成するための日常的な関わりのことです。

挨拶や雑談をするようなタイミングで部下の話を聴くことで、
部下との信頼関係を深めるとともに、部下の目標達成や成長を支援します。

 

1on1で目標を達成するために必要なこと

1on1は、上司と部下との信頼関係を高め、部下の成長を促進して組織で成果をあげるために導入されます。

1on1の主な目的は部下の成長を促進すること言われています。

上司は部下の悩みや仕事の困りごとを対話によって引き出し、部下が問題の原因や解決策を自分で見つけて、解決していく経験を繰り返すことで、部下の成長を支援します。

また、頻度の高いコミュニケーションにより上司と部下の信頼関係が高まります。

部下一人ひとりが組織に愛着を持つ(エンゲージメントが高まる)と、組織の生産性が上がることが分かっています。

定期的な面談で、部下が抱えている課題や問題を早期に把握できるため、トラブルが大きくなる前に対処できるようになります。

1on1の双方向のコミュニケーションによって、上司と部下で最適解を見出すため、組織の問題解決力が向上します。

これらの効果により、部下の個別の問題が全体の業績に悪影響を与えるリスクが軽減され、組織全体の生産性が向上します。

 

1on1の効果を十分引き出すためには、上司は経験学習サイクル組織の成功循環モデルの2つのサイクルを意識して、育成支援を行う必要がありますが、中小企業でこういったことを意識している上司はほとんどいません。

次の2つのサイクルを意識して、部下の成長支援を行いましょう。

 

経験学習サイクル

部下の成長を促進して、組織で成果をあげていくためには、経験学習サイクルを促進する必要があります。

経験による学びを促進するメカニズムとして、
ディビット・コルブの「経験学習モデル理論」が有名です。

部下の失敗や成功体験をそのままにせず、
上司が1on1ミーティングで部下から教訓を引き出し、
経験学習サイクルをまわしていくことで、
部下の成長を促進させながら、組織の実際の課題解決を同時進行で行います。

経験学習サイクルの図

 

組織の成功循環モデル

組織の成功循環モデルは、ダニエル・キムが提唱した理論で、組織が成果を上げ続けるために必要な要素とプロセスを明らかにしたものです。

成功循環モデル(以下「グッドサイクル」)では、まず従業員同士の関係の質を向上させることを重視します。

一見遠回りに感じますが、関係の質に着目した取り組みが、長期的には成果を生む組織づくりにつながります。

 

グッドサイクルでは、「関係の質」・「思考の質」・「行動の質」・「結果の質」を順番に上げていくことで、成果があがるとされています。

1on1は、グッドサイクルをつくる取り組みです。

関係の質

定期的なミーティングと「場外」で上司と部下は信頼関係を高めます。
オープンなコミュニケーションがとれるようになります。

思考の質

質問やフィードバックにより、思考が深まります。
上司と部下の双方向コミュニケーションで、最適解を導くことができます。

行動の質

自分で決めたことを行うため、積極的に行動します。
上司は面談以外の場でも、部下の行動を支援します。

結果の質

目標を達成し、高い成果を上げます。

成功循環モデルのイラスト

中小企業が1on1で目標を達成するには

1on1を実施しても部下の成長や目標の達成につながっていると感じていない経営者が多いことが、調査から分かっています。

1on1では、組織が目指す目標に向けて、部下が成長し、目標達成をしてもらうことを目指すため、そもそも目標があいまいだと1on1が十分機能しません。

1on1が効果を生むためには、適切な目標を設定することが重要です。

 

適切な目標の3要件

中小企業が1on1で成果を出せないのは、会社の目標が十分伝わっていなかったり、そもそも、管理職が適切な目標の立て方を知らなかったりするために起こります。

1on1で効果を出すために必要な適切な目標は、以下の3つの要素を含んでいます。

①会社の目標⇔チームの目標⇔個人の目標がつながっており、そのつながり全体が見える化された構造の明確な目標

②メンバーが目標に共感し、「やりたい!」と思える目標

③達成基準が明確で、行動につながる目標

以下で、1on1における適切な要件を満たす目標と、その要件を満たさない目標を立てたときによく起こる問題について解説します。

 

つながりの構造が明確な目標

つながりの構造が明確な目標とは、

会社の目標に対して、各部門の目標の総和が必要十分条件を満たしている。
部門の目標に対して各課の目標の総和が必要十分条件を満たしている。
課の目標に対して各個人の目標の総和が必要十分条件を満たしている。

会社の目標全体が各個人までいきわたっていることが分かる目標です。

そのような構造の目標が示された場合、自分の仕事は組織にとって意味があると感じることができます。

各個人の責任や役割が明確なため、行動のスピードが上がります。

つながり全体が見える化された構造の明確な目標になっていないと・・・

・個人の頑張りや目標達成が、会社の目標達成につながらない
・各個人・チーム間の相互支援が起こらず、部分最適で動いてしまう
・会社全体の一体感がでない

目標を掲げてそれぞれは頑張っているのに、みんながバラバラで会社として成果が出ない結果となります。

そのような状況を招くと、
成果を上げている社員も十分評価されず、優秀な社員から辞めてしまいます。

それでは、何のために1on1に取組んでいるか分からなくなります。

 

共感される目標

個人が会社やチームの目標に共感していないと、その目標に対して「やりたい!」と思えません。

個人が目標に共感するためには、個人が仕事やその成果に対して意味を感じられる必要があります。

仕事の意味は人それぞれ違うため、チームの目標に共感してもらうためには、メンバーが参加して目標を立てる必要があります。

 

共感される目標でないと・・・

・やらされ感で仕事をすることになる
・指示されたことをするのみで、新しいアイデアがでてこない
・1on1をやっても目標達成に向けた頑張りを引き出すのが難しい

といった問題が起こり、日々の業務が優先され、会社の掲げた目標達成のための行動を引き出せません。

 

達成基準が明確な目標

1on1を効果的に行うためには、業務上で要求されていることやその成果について、メンバーが理解している必要があります。

目標は具体的、かつ、達成可能な内容である必要があります。

達成基準が明確な目標は、SMARTの原則に基づいて設定します。

SMARTは、以下の要素で成り立っています。

1.具体的であるか(Specific)
誰が見ても分かるよう、明確がつ具体的であること。

2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証できるから、必要に応じて目標の修正ができます。

3.達成可能か(Attainable)
一定期間内に達成可能で現実的であること。

4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
自分が所属する部署の目標が、会社の戦略・方針に合っているか確認できる。

5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。

 

目標の達成基準が明確でないと

・目標が単なるスローガンになって、行動につながらない
・進捗状況や達成有無が不明なため、PDCAを回すことができない
・1on1をやっても、「頑張っています」などといった曖昧な内容の話に終始し、部下の行動を改善できない。

という問題が起こり、目標達成に向けた正しい行動ができません。

 

1on1に適切な目標管理OKR

適切な目標の3要件を満たす目標管理がOKRです。

OKRは、複雑で変化の速い現代のビジネス環境に適した目標管理のフレームワークです。

OKRは、「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略称です。

「達成目標(Objectives 以下O)」とその達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」を設定して、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせることにより、すべての社員が同じ方向を向いて重要課題に取り組みます。

 

OKRのObjectiveは、組織がどのような状態になっている必要があるのかを表したもので、基本的には定性的な目標が推奨されています。

また、チームメンバーの共感を得られるような、ワクワク感があるOを設定する必要があります。

 

Objectiveにどのように近づいているか、という達成状況を測るための主要成果がKey Resultsです。

達成状況を測るための指標であるため、KR定量的なものとすることが推奨されます。

定量的で計測可能な成果について、達成度を測定することで、PDCAサイクルをまわすことができます。

適切な目標OKRの図

OKRの特徴は、個人の目標が会社全体で共有される目標管理制度であることです。

OKRの目標は、会社の目標が個人の目標までツリー状で表示されます。

会社全体の目標に対して、誰がどんな目標に責任を負っているかが分かるため、必然的に会社の目標を理解して行動します。

自分の仕事が会社の目標達成に貢献していることが可視化されるため、各自が自分の仕事の意義を感じ、エンゲージメントが高まります。

また、他部門の目標が分かるため、他者や他部門の協力を得ることができます。

 

OKRツリー図

 

OKRについてさらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。

目標は適切だけど、
1on1が上手くいかないそのほかの理由についてはこちらをご覧ください。

まとめ

1on1は、上司と部下が人間関係を築きながら成果をあげる全体のプロセスです。

しかし、1on1を実施しても効果が出ないと感じる中小企業の経営者が多いことが分かっています。

1on1では、組織が目指す目標に向けて、部下が成長し、目標達成をしてもらうことを目指すため、そもそも目標があいまいだと1on1が十分機能しません。

目標達成のためには適切な目標を設定する必要があるのですが、中小企業の管理職で適切な目標を設定できる管理職は少ないのが現状です。

管理職個人の能力で目標が立てられないのであれば、そこは「しくみ」で補うしかありません。

1on1で効果を上げる適切な目標は、

会社目標全体が、構造化して分かる
個人が共感できる
達成基準が明確

という3つの要件を満たす必要があります。

この3つの要件を満たす目標管理がOKRです。

OKRは、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせ、社員が一丸となって同じ方向を向いて1つの重要課題に取り組む目標管理です。

OKRの目標は、会社の目標に対して、社員全員で目標を考えるので、適切な目標を立てられるようになります。

目標管理OKRの達成度を計測し、達成度を上げるために1on1を活用しましょう。

2024/10/16

1on1は意味ない?目標達成のための1on1が失敗する5つの理由とその解決策を解説

1on1とは

1on1とは、
上司と部下が信頼関係を築きながら成果をあげる全体のプロセス
を表す言葉です。

1on1というと、一般的に上司と部下の1対1の面談をイメージしますが、
面談以外の時間も1on1に含まれます。

1on1は、1on1ミーティング
1on1ミーティング以外の場(以下)に分かれて考えます。

1on1ミーティング

1on1ミーティングとは、
上司が部下の育成や目標達成を目的として、定期的・継続的に行う個人面談です。

部下の育成が目的であるため、上司がテーマや解決策を決めるのでなく、
基本的に部下がミーティングで話す内容や問題解決策を決定し、行動に移します。

業務として、1回30分~1時間、月1~2回程度定期的に対話に集中できる環境で実施します。

 

ミーティング以外の場(場外)

場外とは面談以外の場のことで、
上司が部下の成長や信頼関係を醸成するための日常的な関わりのことです。

挨拶や雑談をするようなタイミングで部下の話を聴くことで、
部下との信頼関係を深めるとともに、部下の目標達成や成長を支援します。

1on1では、上司と部下の間だけで情報共有がなされ、チームで決定事項が共有されないため、チームで決定事項や課題を共有する場を設けると効果的です。

 

効果のない1on1は意味がない

1on1の捉え方や、やり方に問題がある場合、1on1本来の効果を充分発揮できません。

そのような人は1on1を「無駄なこと」「意味のないこと」だと感じるでしょう。
また、過去に1on1に取組んでみたものの、

・部下が成長しない
・上司と部下の関係が悪化する
・目標を達成できない
・成果のわりに実施の負担が重い

など成果があがらず、時間の無駄だったと感じている人もいるかもしれません。

Googleで「1on1」と検索しようとすると、「1on1 意味ない」「1on1 話すこと」が上位にサジェストされるくらい、多くの人が1on1の実施に不安や不満を感じていることが伝わります。

意味のある1on1を行うために、次章以降で紹介する注意点と、解決策を理解して実施しましょう。

 

1on1の効果があがらない理由

1on1を実施していても、なかなか効果が現れずに終わるケースがあります。

そのようなケースが起こる理由には以下のものが考えられます。

◎1on1の目的を理解していない
◎適切な目標が立てられない
◎上司のスキル不足
◎人の才能を正しく扱えない
◎1on1で決まったことが組織で共有されない

ここでは、1on1が失敗る理由を5点挙げ、それぞれ解説します。

 

1on1の目的を理解していない

1on1は経験学習を通じて部下の成長を促進し、業務で成果を上げるために行います。

また、1on1を導入する企業にも、導入する目的があります。

1on1で失敗する理由の一つが、目的を共有していないことです。

目的を理解しないで行う1on1は、ただの雑談になったり、話すことがなかったりと「意味のない」ものになります

 

適切な目標が立てられていない

1on1は、企業の目標を達成するために、
上司と部下でも目標を設定し、その目標の達成を目指して行います。

しかし、そこで立てた目標が企業の目標とつながっていないと、
たとえ全員が目標達成しても企業の目標は達成されません。

経営者は、企業目標が達成できないと1on1の効果を感じません。

頑張っているのに、企業目標が達成できないため誰も報われない・・・
そんな1on1では、従業員満足度が低下します。

また、個人に与えられている目標が低いと、
目標について話すことがなく、1on1が業務の進捗の連絡に使われます。

部下が課題感を感じるような、適切な目標を設定する必要があります。

 

上司のスキル不足

1on1は、部下の自発的な行動を引き出して実行してもらい、経験を通じて成長に導くために行います。

しかし、実際のミーティングでは、

◎上司が自分の体験からのアドバイスを押し付けてしまう
◎部下の話を聞くだけで、それ以上の行動を引き出せていない。
◎通常の業務の進捗確認や、雑談に終始する。

といったことが起こっており、自発的な行動につながっていません。

部下が自ら考えて行動しないと、成長や企業目標の達成はありません。

上司は、1on1に必要な育成スキルを身につける必要があります。

 

人の才能を正しく扱えていない

人にはそれぞれ才能があります。

才能に応じて、得意不得意やものごとの捉え方が異なります。

部下を成長させるためには、部下にあった教育方法を意識する必要があります。

また、目標達成のためには、何が得意で、何ができないかを把握しておく必要があります。

上司がチームの目標を適切にタスク分解し、部下の特性に合った業務をアサインし、部下に合った任せ方をできれば、チーム全体の目標を達成に近づきます。

人の才能を理解しないコミュニケーションや仕事の任せ方は、パワハラの原因になるなど、部下は不満を募らせます。

 

1on1で決まったことがチームに共有されない

1on1にマネジメントを依存していると、決定事項が組織に共有されず、意思決定プロセスが不明瞭になります。

自分の知らないところで業務の話が決まってしまうことに対して、不安や不満を感じるメンバーも少なからずいます。

情報の共有を1on1頼りにしていると、基本的にチームビルディングに失敗します。

 

 

1on1を実りあるものにするための解決策

経営者が自ら実践し、目的を発信する

1on1の目的を共有するためには、経営者が1on1の目的や重要性を発信することが重要なポイントです。

1on1は、上司と部下が1on1を実施する目的を共有することが大切です。

経営者自らが1on1に取組み、効果を感じれば、情報の発信頻度や部下に対する説得力が高まります。

1on1の目的を共有するためにも、経営者自ら1on1を実践しましょう。
面談の写真

OKRを導入する

企業目標と従業員全員の目標が繋がっている目標管理がOKRです。

1on1は、組織が目指す目標に向けて、目標達成や成長をしてもらうことを目指すため、そもそも目標が曖昧だと機能しません。

OKRは、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせることで、すべての社員が一丸となって同じ方向を向いて重要課題に取り組む目標管理制度です。

OKRでは、会社全体のカンパニーOKRから部門・部署、個人のOKRまでの「つながり」が明確です。

全社OKRが個人に共有されることで、会社目標と個人目標のベクトルがそろいます。

会社の高い目標に、一人ひとりが集中して取り組むことにより、企業全体の目標を達成します。

基本的に目標が高いので、部下は常に課題を感じており、1on1で「話すことがない」と感じることはなくなります。

ひとり一人は成長し、目標も達成しているのに、企業目標が達成できない場合は、OKR導入しましょう。

OKRツリー図

1on1を意味あるものにするOKRについてはこちらもご覧ください。

 

1on1コーチング教育を行う

1on1では、部下が設定した目標の達成を上司が支援します。

上司の役割は、部下自身が自ら考え、課題を解決するために適切に支援することです。

基本はコーチングで支援しますが、部下の成長や成果のためにはコーチングスキルだけでなく、

・知見を伝えるティーチング
・部下の脳の特性に応じた個別対応

といったノウハウも必要になります。

これらを総合的に身につけることによって、上司の育成能力が高まります。

上司の育成能力に応じて、必要な研修を行いましょう。

1on1スキルの一覧表

 

人の才能を活かす方法を学ぶ

上司がコーチングにより部下を育成する場合、上司は部下との関わり方において双方向・継続性・個別対応というコーチングの3原則を意識する必要があります。

この3原則は、コーチングを行う際に必ず適用すべきベースとなる考え方で、どれか1つ欠けても意味がありません。

個別対応とは、相手の価値観や考え方などに合わせて対応方法を変えることで、コーチングでは1対1の面談を繰り返すことで、相手の価値観や考え方を知り、個別対応ができるとされていますが・・。

残念ながらすべての上司が相手の価値観や考え方を適切に捉えて対話ができるわけではありません。

そんなとき、頼りになるのが効き脳診断などといった人の特性診断です。

効き脳診断の分類図

効き脳診断は、人の考え方や価値観に大きな影響力を与えます。
また、業務の得意・不得意にも大きな影響を与えています。

人によって物事や情報の捉え方が異なるのは、効き脳の違いによるところが大きく、
同じ研修を行っても、できる上司とできない上司が出るのもこのためです。

例えば、感覚・友好脳のタイプは、
部下の考え方や価値観に寄り添って対話をするのが得意ですが、
論理・理性タイプは合理的なため、
部下の考え方や価値観に寄り添って対話をするのは苦手です。

効き脳を行えば、1on1がより有効になるだけでなく、業務のアサインにも活用できます。

また、人と人の違いを受け入れられる組織は、心理的安全性も向上します。

1on1を意味のあるものにするためにも、特性診断を取り入れましょう。

 

「人の才能を活かす方法」についてより詳しくはこちらもご覧ください。

 

OKRイベントを実施する

1on1を意味のあるものとするためには、1on1ミーティング以外の場(場外)を有効に行うことも大切です。

しかし、才能の違いにより、すべての上司が場外で有効な関わり方ができるわけではありません。

人の才能に依存せず、場外での関わる場を設けてもらうためには、会社全体のマネジメントとして設計するのが有効です。

OKRでは、目標管理を確実に実行するためのチームOKR運用イベントが制度として整っています。

チームOKRイベントで、各自の進捗も確認しながら、1on1で決まったことも共有して、チームの問題解決力を高めていきます。

1on1を意味のあるものにするのであれば、OKRの導入とチームOKR運用イベント実施しましょう。

チームOKRイベント一覧

 

まとめ

部下の育成や企業の目標達成のために行われる1on1ですが、ポイントを押さえないと十分な成果が得られません。

効果のない1on1は、負荷だけが高まるため、意味のないものとして社員の不満が高まります。

1on1を意味あるものにするためにも、本記事を参考に実施してください。

中小企業の1on1導入について詳しくはこちらもご覧ください。

2024/10/15

中小企業のための1on1導入ガイド|組織で成果を出す1on1の意味や目的、効果と導入手順などわかりやすく解説

1on1とは

1on1とは、
上司と部下が人間関係を築きながら成果をあげる全体のプロセス
を表す言葉です。

1on1というと、一般的に上司と部下の1対1の面談をイメージしますが、
面談以外の時間も1on1に含まれます。

1on1は、1on1ミーティング
1on1ミーティング以外の場(以下「場外」)に分かれます。

米国のシリコンバレーのベンチャー企業などでは、当たり前の習慣として実施されてきた1on1 ですが、近年では、ヤフー株式会社などの国内の有名企業が取り組んでいることで、日本においても100名以上の企業の70%以上の企業が導入しています。

 

1on1ミーティング

1on1ミーティングとは、
上司が部下の育成やモチベーション向上を目的として、定期的・継続的に行う個人面談です。

部下の育成が目的であるため、1on1ミーティングは部下のための時間です。

そのため、上司がテーマや解決策を決めるのでなく、
部下がミーティングで話す内容や問題解決策を決定し、行動に移します。

正解がない現代のビジネス環境においても、
対話によって上司と部下がともに最適解を見出すことができるため、課題解決力が向上し、生産性があがります。

1回の時間は30分~1時間で、月に1回~2回行うことが推奨されますが、
部下の成長段階や上司の業務負荷どを考えて全体の設計を行います。

 

ミーティング以外の場(場外)

場外とは面談以外の場のことで、
上司が部下の成長や信頼関係を醸成するための日常的な関わりのことです。

挨拶や雑談をするようなタイミングで部下の話を聴くことで、
部下との信頼関係を深めるとともに、部下の目標達成や成長を支援します。

 

1on1ミーティングとその他の面談の違い

評価面談との違い

評価面談は、上司と部下が定期的に行う面談で、一般的に人事評価面談とも呼ばれます。

評価面談は、上司が部下の成果や成長を確認し、評価を伝えるために行います。

面談を通じて、部下に評価を納得してもらい、次年度以降の目標を設定します。

面談は年に1~2回、1時間程度の頻度で行うため、面談を通じて部下の成長を促すという機能は果たしません。

 

メンタリング面談との違い

メンタリングとは、先輩社員が後輩社員を指導する1対1の面談です。

メンタリングの特徴として、
部下を直接評価している上司は指導役にならない点が挙げられます。

メンタリングは新卒社員を中心とした若手の離職防止を目的として行われるため、
仕事や人間関係の悩みといったメンタル面のサポートが重視され、
業務目標の達成や組織で成果を出すといったことは求められません。

面談は通常1カ月に1回、1時間程度行います。

 

社外コーチのセッションとの違い

社内の上司は、部下の成長に導くチャレンジができるような業務のアサインを行うことができます。
1on1を通じて業務の遂行や成長に必要な接点をもつことで、部下の成長を支援します。

一方で、社外コーチのセッションも社員の成長のために行われますが、
業務のアサインや、面談以外の場で細やかな支援ができないという点が異なります。

 

1on1の導入が広がっている背景

1on1という経営手段が生まれた背景には、従来のトップダウン型のマネジメントの限界が影響しています。

20世紀中盤から後半にかけての大量生産・大量消費の時代には、
トップダウン型のマネジメントで成果をあげることができました。

しかし、経済の国際化や技術革新が進むにつれ、
複雑で変化の速いビジネス環境に対応するためには、
現場の意見やニーズを素早く把握し、柔軟な対応が求められるようになりました。

そういったビジネス環境の変化の中で、
シリコンバレーのスタートアップやIT企業で、個々の社員との対話を重視する1on1という手法が普及し始めました。

特にGoogleやFacebookなどの企業が、社員のエンゲージメントや成長を促すために取り入れたことで、注目を集めるようになりました。

1on1は、社員と上司が定期的にキャリア目標や抱えている問題について対話することで、
組織全体のコミュニケーションの質を向上させ、社員のモチベーションや生産性を高める手段として評価されています。

こうした背景から、1on1は現代の多様な働き方に適応する経営手法として広まってきました。

日本の中小企業も、働く人材が減少していくなかで社員の定着率を高めるために、上司と部下のコミュニケーションの質を上げる必要性が高まっています。

急激なビジネス環境の変化の中で、部下を成長させることで成果をあげる1on1の導入が進んでいます。

 

1on1導入の目的

1on1は、上司と部下との信頼関係を高め、部下の成長を促進して組織で成果をあげるために導入されます。

日本の導入企業に対する調査からは、

・社員の主体性・自立性の向上
・自立的キャリア形成の支援
・エンゲージメントの向上と離職率の低下

といったことを目的として導入されていることがわかります。

 

経験学習の促進

部下の成長を促進して、組織で成果をあげていくためには、経験学習サイクルを促進する必要があります。

人は70%を仕事上の経験から学び、20%を上司からのアドバイス、10%を研修や書籍などから学ぶといわれています。

経験による学びを促進するメカニズムとして、
ディビット・コルブの「経験学習モデル理論」が有名です。

部下の失敗や成功体験をそのままにせず、
上司が1on1ミーティングで部下から教訓を引き出し、
経験学習サイクルをまわしていくことで、
部下の成長を促進させながら、組織の実際の課題解決を同時進行で行います。

つまり、1on1は経験学習を促進して部下を成長させ、
社員定着率や組織パフォーマンスの向上を通じて、
成果を上げる組織をつくるために行います。

経験学習サイクルの図

 

1on1導入の効果

1on1には、一般的に次の効果があると言われています。

社員の成長

企業に属する社員は、それぞれが異なる背景やニーズを持ってますが、
1on1で上司が個々の社員と継続的に接することで、個々の状況に合ったスキルアップやキャリア成長をサポートできます。

社員は自分の成長や目標に向けた振り返りや上司からのフィードバックを受けとり、
自分で決めて仕事を行うようになるため、成長と成果を最大限引き出すことができます。

 

問題の早期発見と解決

1on1では、個々の社員の業績や目標に対する進捗を確認し、改善すべき点をフィードバックします。

社員の課題や問題を早期に把握できるため、トラブルが大きくなる前に対処できます。

1on1の双方向のコミュニケーションによって、上司と部下でともに最適解を見出すことができるようになり、問題解決力が向上します。

これにより、部下の個別の問題が全体の業績に悪影響を与えるリスクが軽減され、組織全体の生産性が向上します。

 

エンゲージメントの向上

経営者やマネージャーが現場の社員と直接話す機会を作ることで、上司と部下のコミュニケーションが円滑になります。

1on1は、社員が自分の意見や不安を直接伝える場でもあります。

上司がこれに耳を傾け、適切な対応をすることで、
社員の会社へのエンゲージメント(関与度)が高まります。

これが定着率の向上や生産性の向上につながります。

 

1on1効果のグラフ

参照:【調査発表】1on1ミーティング導入の実態調査図表4・リクルートマネジメントソリューションズ

 

1on1を導入する際の課題と解決策

導入企業の調査からは、上司と部下との信頼関係が向上していることが分かります。

しかし、1on1本来の目的である、部下の成長と業績の向上にはつながっていません。

調査結果からは、
上司の面談スキルの不足と上司の負荷の高まり
という課題が浮き彫りになっています。

1on1課題の写真

参照:【調査発表】1on1ミーティング導入の実態調査図表6・リクルートマネジメントソリューションズ

 

上司のミーティングスキル不足

上司のミーティングスキルが不足していると、1on1の効果が十分得られません。
1on1がただの雑談の場となったり、上司が一方的に進捗を確認する場となってしまいます。

これでは、部下はいつまでたっても成長しません。

また、1on1研修を行っても、すぐに成果が出る上司と成果が出ない上司がいます。

成果を出せない上司は、上司が自分自身の強みや弱みを知らず、
また、部下の強みや弱みを知らないために、
部下との信頼関係の醸成や、適切なコミュニケーションが取ていません。

そんな状態で面談を行うと、部下は業務時間を削られるだけと感じてしまうため、
部下の成長を引き出せないばかりか、部下の満足度が低下します。

 

解決策

1on1を効果的に行うためには、学習の場と実践の機会が必要です。

特に中小企業では、
リーダーシップやコミュニケーションといったマネジメント研修が不足しています。

企業の状況に応じて、

・人の才能の違いや才能の活かし方
・傾聴や質問・フィードバックといったコーチングスキル
・企業目標を達成する適切な目標の立て方

といったマネジメント研修を実施しましょう。

1on1に必要なスキルの一覧表

研修で学んだことを、実践する機会を設けましょう。

良質なフィードバックができる人材のサポートがあると、学習の効果が高まります。

上司の負荷の高まり

1on1は週1回~月1回、1回30分~1時間の時間をかけて実施します。
また、実施するにあたって事前の準備も必要なため、業務時間を大きく圧迫します。
自らプレーヤーとして動く比率の多い上司にとっては、成果を上げるための時間が少なくなります。

「1on1に時間を取られて仕事ができない」
「1on1に意味を感じない」

1on1をうまく浸透させるためには、社内の心理的な抵抗をどう超えていくかが重要です。

 

解決策

上司が負担を感じるのは、1on1の効果が感じられないからです。
効果を感じてから始めるのであれば、最初に負担感を感じても実施・継続をします。

そのためには、まず経営者層がマネージャーに対して1on1を行い、
効果を感じてもらってから、全社に導入していくということです。

上司のミーティングスキルが不足していることもあり、
中小企業が一気に全社に1on1を導入するとうまくいかないことがあります。

新しいマネジメント業務の導入ですので、上司の経験学習サイクルを回しながら、
徐々にできるようになっていけば良いと会社が捉えることが重要です。

また、負荷を低減するという意味では、
1on1を効果的に管理し、支援するテンプレートやシステムの導入も効果的です。

自社の規模に合ったテンプレートやシステムの導入も検討しましょう。

 

適切な目標が立てられていない

1on1は、企業の目標を達成するために、
上司と部下で目標を設定し、その目標の達成を目指して行います。

しかし、そこで立てた目標が企業の目標とつながっていないと、
たとえ全員が目標達成しても企業の目標は達成されません。

経営者からすると、企業目標が達成できないと1on1の効果を感じません。

頑張っているのに、企業目標が達成できないため誰も報われない・・・
そんな1on1では、従業員満足度が低下します。

 

解決策

従業員全員の目標が、企業目標と繋がっている目標管理はOKRです。

1on1は、組織が目指す目標に向けて、目標達成や成長をしてもらうことを目指すため、そもそも目標が曖昧だと機能しません。

OKRは、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせることで、
すべての社員が同じ方向を向いて重要課題に取り組む目標管理制度です。

OKRでは、会社全体のカンパニーOKRから部門・部署、個人のOKRまでの「つながり」が明確です。

全社OKRが個人に共有されることで、会社目標と個人目標のベクトルがそろいます。

会社のビジョン実現に必要な一つの目標に、一人ひとりが集中して取り組むことにより、企業全体の目標を達成します。

ひとり一人は成長しているのに、企業目標が達成できない場合は、OKRの導入を検討しましょう。

OKRについて詳しくはこちらをご覧ください

 

1on1導入の流れ

1on1は以下の手順で導入します。

目的・目標を策定し、組織に共有する

何のために1on1を導入するのか、導入目的・目標を定めます。
経営者を中心に、導入目的や目標を何度も伝えます。

導入準備

1on1導入の全体スケジュールや具体的な展開方法を決定します。

また、アジェンダシートや振り返りシートなど、
1on1を効果的に行うためのテンプレートを準備します。

運用ツールを使う場合は運用ツールの選定も行っていきます。

社内に教育者を育成する場合は、準備期間に研修やトレーニングを行います。

管理職研修・実践

まずは、役員や管理職に向けて研修を行います。

3カ月間ほど相互トレーニングを行いながら、研修で学んだことを実践します。

 

全社展開

全社展開の準備ができたら、説明会を開催し、全社に展開します。

定期的に運用を評価し、改善を行います。

 

1on1ミーティングの流れ

部下の状態と目的の確認

まず、最近の部下の体調やワークライフバランスなどを確認し、
ミーティングの目的を説明します。

次に、前回から取り組んだことについて話し合います。
出来ていることについては承認のフィードバックを行います。

部下が安心感を抱くように、気軽な雰囲気づくりを心がけましょう。

 

テーマの確定

今回のミーティングで話し合うテーマを決めます。

1on1ミーティングで取り扱うテーマを上司が決めてはいけません。
部下の成長のために、部下自身がテーマを決めることに意味があります。

部下が何を話してよいか分からなければ、
以下のようなテーマについて話してみて、テーマを決めていきましょう。

・現在取り組んでいる仕事についての悩みや課題
・ワークライフバランスについて
・今後のキャリアや取り組んでいきたいこと。
・最近取り組んでいることで学んだことや気が付いたこと。

 

現状の把握

テーマが決まったら、上司はそのテーマについて部下の現状把握をします。

部下の話をジャッジせず、フラットな状態で傾聴しましょう。

部下の話をジャッジしてしまうと、部下の話を途中で遮ったり否定的な反応を示してしまいます。

双方向のコミュニケーションで、部下の気づきを引き出しましょう。

 

問題提起

現状が把握出来たら、目標に至らない理由を明確にします。

このときも、部下自身が問題点を見つけられるようサポートします。

部下が問題点を見つけられない場合や、上司の望む状態とギャップがある場合は、上司がどんな未来だったらよいか、いくつか提案したり、ギャップをフィードバックすることで、部下が考えやすくなったり、答えが出てくることがあります。

 

解決策の模索

その問題を解決するために、どのような解決策を取りえるか部下に考えてもらいます。

視点を変える質問で多くの案を考えてもらいながら、実行する解決策を決めていきます。

部下が解決策を見つけられない場合や、上司の望む成果とギャップがある場合は、上司がどんな未来だったらよいか、いくつか提案したり、ギャップをフィードバックすることで、部下が考えやすくなったり、正しい答えに導くことができます。

 

実行プランの策定

解決策が決まったら、次のミーティング期間までに実行することを具体化します。

解決策の実行が長期に渡る場合は、すぐできる実行プランに集中して取り組みます。

最後に、次の期間までどのようなサポートを希望するか確認し、部下を力づける声掛けを行って終わります。

 

日々の仕事の合間に進捗の確認

1on1は、上司と部下が人間関係を築きながら成果をあげる全体のプロセスです。

日々の仕事の合間にも、目標の進捗について声をかけ、信頼感を醸成しながら成果につなげましょう。

進捗がうまく行っていない場合は、15分ほどの1on1を行うことも有効です。

 

まとめ

1on1は、上司と部下が人間関係を築きながら成果をあげる全体のプロセスです。

従業員の成長や組織の成果に効果があるため、中小企業でも導入が進んでいます。

しかし、導入企業の調査からは十分な成果を引き出せていません。

中小企業のマネージャーのマネジメントスキル不足やマネジメントに集中できない状況が、1on1で成果を上げるうえでの課題です。

必要な研修や、システムの導入を通じて1on1を継続し、
部下の成長を促進させながら、組織の実際の課題を解決し、組織を成長させましょう。

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