OKRの意味や特徴、中小企業で導入効果が高い理由を簡単に説明
OKRの意味
OKRとは、「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略称です。
OKRでは、「達成目標(Objectives 以下O)」と
その達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」を設定します。
企業が目指すべき目標と
社員一人ひとりの目標をリンクさせることにより、
すべての社員が一丸となって同じ方向を向いて重要課題に取り組みます。
OKRは、高い目標を実現するための組織マネジメントです。
Objectivesの意味
OKRのObjectivesは、誰がどのような状態になっているのかを表したものであり、基本的に定性的な表現がされます。
現状の延長ではなく、企業やそこで働く人々がワクワクするような、野心的な目標にしましょう。
Key Resultsの意味
Objectiveにどのように近づいているか、という達成状況を測るための主要成果がKeyResultsです。
達成度を測定するためには定量的な指標である必要があり、
どのような事が実現できたら、Oを達成したと言えるのか?
を考えて、測定可能なKRを3~5個程度設けます。
Oが野心的な場合、3ヶ月の達成自信度が5割程度のKRを設定する必要があります。
OKRの特徴
GoogleにOKRを導入したジョン・ドーアは、OKRには「4つの威力」があると言っています。その4つとは
・目標をただ1点に絞る「フォーカス」
・全員のベクトルが同じ方向を向いている「アライメント」
・高い目標を掲げる「ストレッチ」
・全社で統一的に結果を振り返る「トラッキング」
です。
フォーカス
OKRは、企業の目標に向かって今すぐ全員が動き出すための手段です。
目標達成(課題解決)のためには何に集中して取組むべきか、重要な項目を厳選し取組みます。
社員が正しい意思決定をし、最高のパフォーマンスを実現するには、
組織の誰もが最上位の目標を明確に理解する必要がありますが・・・
企業の3分の2は、目標を組織に一貫性を持って伝達できていないと考えています。
目標を絞って明確に伝え、
トップが必ず目標を達成するというメッセージを伝え続けることが、大きな成果を生むのです。
経営不振にあったインテルは、OKRで主力商品「8086」の顧客との関わり方を変えるという1点に目標を絞りました。
商品を変えずに、伝え方を変えることによって、大きな成果をあげたのです。
勝利する組織は「少ない矢を全身全霊で射つ」
ラリー・ペイジ
引用:Measure What Matters|John Doerr
アライメント
アライメントとは、全員のベクトルが揃って連携できている状態のことを言います。
OKRは、誰にとっても会社の目標とのつながりをはっきりしたものにします。
会社全体のカンパニーOKRから部門・部署、個人のOKRまでの「つながり」を明確にして、
会社全体のOKRと整合性がある個人目標がかかげられることで、従業員一人ひとりの目標が適切なものとなります。
OKRでは、企業の戦略目標と、その目標実現のために自分に期待されていることを理解するため、意思決定スピードが高まります。
従業員が会社の目標にアライメントできている会社は、業界上位に入る確率が、同業他社の2倍以上になるという調査結果もあります。
ストレッチ
OKRでは基本的に60%~70%の達成でよしとするチャレンジ目標、「ムーンショット目標」を立てることが推奨されます。
様々な研究から、ストレッチ目標を与えられた労働者のほうが生産性が高まるだけでなく、意欲や積極性が高まることが明らかになっています。
高い目標に継続的に取組むことで、チャレンジしやすい空気が生まれ、目標を達成した時には、圧倒的な成果を手にします。
また、野心的な目標を設定することは、長期的な視点で会社全体のビジネス構造を見直すことに繋がります。
現状のままでは達成できない目標を達成するためには、
ビジネスモデルを変える必要に迫られる時が必ずやって来ます。
トラッキング
ある調査によると、目標を設定し、
さらに週次の進捗状況を友人に送った人は、
目標を立てただけで他者と共有しなかった人より、目標を達成する割合が43%高くなるそうです。
OKRでは、主要な結果KRをトラッキング(定量的に計測)し、そこで得られた学びを次の期間のOKR実現に活かします。
OKRに継続的に取り組めば、組織の経験学習サイクルが回るため、
組織の実行力はじわじわと成長し、ムーンショットを実現する組織が創られます。
OKR導入が組織にもたらす効果
社員が会社のビジョン実現のために行動する
これからの1年(その間の3カ月)で最も重要なことは何か?
会社のビジョンを実現するために最も重要なことは、
ビジョン実現のために日々の業務遂行が行われることです。
ビジョン実現のためにやりたいことを全てやれる中小企業などありませんが、
OKRを厳選することで、限られたリソースの中で、
決定的な違いを生む可能性があるごく少数のプロジェクトに
一人ひとりが取り組めるようになります。
社員が自立的に働くようになる。
中小企業の経営者とお話ししていると、
社員の自立性に悩む経営者がたくさんいらっしゃいます。
なぜなら、組織が大きくなるほど、経営者の仕事が増え続けるからです。
社員が自立的に動かないのは、何を基準に行動すれば良いかが判らないからです。
OKRでは、チームの目標や個人の目標が共有され、
社員は自分の責任において目標の達成を目指す必要があり、
結果として自立性が高まります。
トップは、「重要なことはなに?」ということに意識を向けるだけで良くなります。
コミュニケーションの活性化
OKRは透明性の高い目標管理制度です。
職場では、上司が何をしているか。
自分の仕事がどのように上司の目標達成につながっているか。
ということを自然と意識するため、
目標達成のためのコミュニケーションが活性化します。
また、マーケティングの成功には、
営業部門の協力が不可欠なように、
競争で勝つためには、部門の水平的な連携は不可欠です。
OKRでは、会社の目標を達成するために、
どこの部門の誰が、どのような目標に取り組んでいるかが明らかになります。
ムーンショット目標を達成するために、
会社のあちこちで、同じような仕事をする人が増えることを防ぎ、
部門間が協力することによって組織の目標達成能力が高まります。
社員が成長し、目標達成力が向上する。
OKRに取り組むことによって、
経験の継続的な振り返りがなされ、
社員が経験から学んで成長するため、
一人ひとりの目標を達成する能力が高まります。
OKRは、限られた目標に集中し、他者との協力を得ながら、
毎週目標の進捗をチームで共有するしくみなので、
組織の目標達成率は自然と高くなります。
中小企業がOKRの効果をさらに高めるポイント
OKRは、挑戦的な目標を実現するために、
効果的な目標に集中し、継続的に取組むことで高い成果をあげる組織マネジメントです。
高い目標を実現するためには、社員一人ひとりの能力、
つまり「強み」を最大限発揮して取り組む必要があります。
また、強みの違いはコミュニケーションエラーなどの問題を起こす反面、
メンバーの違いを意識すれば、一人では考えつかない解決策を見つけたりすることができます。
OKRの効果を最大限高めるためには、
人の強みを学び、マネジメントに効果的に活用することが重要です。
中小企業では、そもそも目標を設定したり、
一人ひとりの強みを診断して、
強みを活かすマネジメントを行っているところは多くありません。
OKRは、IT企業やスタートアップのための組織マネジメントではなく、中小企業でも十分活用可能です。
強みを活かすOKRマネジメントを導入すれば、競合より強い会社になることができます。
まとめ
OKRに取り組むと、社員が会社のビジョン実現に向けて自立的に働くようになり、モチベーションが上がります。
また、組織内のコミュニケーションが活性化し、組織の生産性が向上します。
経験を振り返りながら、高い目標に挑戦し続けるので、社員が成長し、目標達成力に磨きがかかります。
ムーンショット目標に向けて、組織が一丸となって挑戦するため、目標を達成したときは、圧倒的な成果を得ることができます。
OKRの効果を高め、高い成果を実現するためには、メンバーの強みを学び、マネジメントに活かすことが重用です。
最強のチームビルディング®×OKRで効果を高める
最強のチームビルディング®は強みを活かす組織マネジメントです。
OKRは、野心的な目標に挑む組織マネジメントですが、
強みを活かす組織マネジメントができれば、OKRの効果が高まります。