1on1で目標達成する組織をつくるには?中小企業の1on1の効果を高める目標管理OKR
中小企業の企業の社長様とお話をすると、
・事業計画書を作っても全然達成できない・・・。
・社員が自立的に行動してほしい・・・。
・モチベーションが低く、離職が多い・・・。
といったお悩みをよく耳にします。
社員の成長や離職率の低下、事業目標の達成など、業務成果をあげるために、中小企業も1on1を導入する企業が増えていますが、なかなか成果があがらない企業も多いです。
1on1で成果が上がらないのは、そもそも立てた目標が適切でないことが多々あります。
そこで今回は、適切な目標設定・目標管理を行い、中小企業が1on1で成果をあげるポイントをお伝えしていきます。
1on1とは
1on1とは、
上司と部下が人間関係を築きながら成果をあげる全体のプロセス
のことを言います。
1on1というと、一般的に上司と部下の1対1の面談をイメージしますが、面談以外の時間も1on1に含まれます。
1on1は、1on1ミーティングと
1on1ミーティング以外の場(以下「場外」)
に分かれます。
1on1ミーティングとは、上司が部下の育成や目標達成を目的として、定期的・継続的に行う個人面談です。
通常30分~1時間ほどの対話を月1回~2回、業務として定期的に行います。
ミーティングの場で部下の経験学習を引き出し、成長を図るだけでなく、
双方向コミュニケーションが生む創造的アイデアで部下の目標達成を支援します。
場外とは面談以外の場のことで、
上司が部下の成長や信頼関係を醸成するための日常的な関わりのことです。
挨拶や雑談をするようなタイミングで部下の話を聴くことで、
部下との信頼関係を深めるとともに、部下の目標達成や成長を支援します。
1on1で目標を達成するために必要なこと
1on1は、上司と部下との信頼関係を高め、部下の成長を促進して組織で成果をあげるために導入されます。
1on1の主な目的は部下の成長を促進すること言われています。
上司は部下の悩みや仕事の困りごとを対話によって引き出し、部下が問題の原因や解決策を自分で見つけて、解決していく経験を繰り返すことで、部下の成長を支援します。
また、頻度の高いコミュニケーションにより上司と部下の信頼関係が高まります。
部下一人ひとりが組織に愛着を持つ(エンゲージメントが高まる)と、組織の生産性が上がることが分かっています。
定期的な面談で、部下が抱えている課題や問題を早期に把握できるため、トラブルが大きくなる前に対処できるようになります。
1on1の双方向のコミュニケーションによって、上司と部下で最適解を見出すため、組織の問題解決力が向上します。
これらの効果により、部下の個別の問題が全体の業績に悪影響を与えるリスクが軽減され、組織全体の生産性が向上します。
1on1の効果を十分引き出すためには、上司は経験学習サイクルと組織の成功循環モデルの2つのサイクルを意識して、育成支援を行う必要がありますが、中小企業でこういったことを意識している上司はほとんどいません。
次の2つのサイクルを意識して、部下の成長支援を行いましょう。
経験学習サイクル
部下の成長を促進して、組織で成果をあげていくためには、経験学習サイクルを促進する必要があります。
経験による学びを促進するメカニズムとして、
ディビット・コルブの「経験学習モデル理論」が有名です。
部下の失敗や成功体験をそのままにせず、
上司が1on1ミーティングで部下から教訓を引き出し、
経験学習サイクルをまわしていくことで、
部下の成長を促進させながら、組織の実際の課題解決を同時進行で行います。
組織の成功循環モデル
組織の成功循環モデルは、ダニエル・キムが提唱した理論で、組織が成果を上げ続けるために必要な要素とプロセスを明らかにしたものです。
成功循環モデル(以下「グッドサイクル」)では、まず従業員同士の関係の質を向上させることを重視します。
一見遠回りに感じますが、関係の質に着目した取り組みが、長期的には成果を生む組織づくりにつながります。
グッドサイクルでは、「関係の質」・「思考の質」・「行動の質」・「結果の質」を順番に上げていくことで、成果があがるとされています。
1on1は、グッドサイクルをつくる取り組みです。
関係の質
定期的なミーティングと「場外」で上司と部下は信頼関係を高めます。
オープンなコミュニケーションがとれるようになります。
思考の質
質問やフィードバックにより、思考が深まります。
上司と部下の双方向コミュニケーションで、最適解を導くことができます。
行動の質
自分で決めたことを行うため、積極的に行動します。
上司は面談以外の場でも、部下の行動を支援します。
結果の質
目標を達成し、高い成果を上げます。
中小企業が1on1で目標を達成するには
1on1を実施しても部下の成長や目標の達成につながっていると感じていない経営者が多いことが、調査から分かっています。
1on1では、組織が目指す目標に向けて、部下が成長し、目標達成をしてもらうことを目指すため、そもそも目標があいまいだと1on1が十分機能しません。
1on1が効果を生むためには、適切な目標を設定することが重要です。
適切な目標の3要件
中小企業が1on1で成果を出せないのは、会社の目標が十分伝わっていなかったり、そもそも、管理職が適切な目標の立て方を知らなかったりするために起こります。
1on1で効果を出すために必要な適切な目標は、以下の3つの要素を含んでいます。
①会社の目標⇔チームの目標⇔個人の目標がつながっており、そのつながり全体が見える化された構造の明確な目標
②メンバーが目標に共感し、「やりたい!」と思える目標
③達成基準が明確で、行動につながる目標
以下で、1on1における適切な要件を満たす目標と、その要件を満たさない目標を立てたときによく起こる問題について解説します。
つながりの構造が明確な目標
つながりの構造が明確な目標とは、
会社の目標に対して、各部門の目標の総和が必要十分条件を満たしている。
部門の目標に対して各課の目標の総和が必要十分条件を満たしている。
課の目標に対して各個人の目標の総和が必要十分条件を満たしている。
会社の目標全体が各個人までいきわたっていることが分かる目標です。
そのような構造の目標が示された場合、自分の仕事は組織にとって意味があると感じることができます。
各個人の責任や役割が明確なため、行動のスピードが上がります。
つながり全体が見える化された構造の明確な目標になっていないと・・・
・個人の頑張りや目標達成が、会社の目標達成につながらない
・各個人・チーム間の相互支援が起こらず、部分最適で動いてしまう
・会社全体の一体感がでない
目標を掲げてそれぞれは頑張っているのに、みんながバラバラで会社として成果が出ない結果となります。
そのような状況を招くと、
成果を上げている社員も十分評価されず、優秀な社員から辞めてしまいます。
それでは、何のために1on1に取組んでいるか分からなくなります。
共感される目標
個人が会社やチームの目標に共感していないと、その目標に対して「やりたい!」と思えません。
個人が目標に共感するためには、個人が仕事やその成果に対して意味を感じられる必要があります。
仕事の意味は人それぞれ違うため、チームの目標に共感してもらうためには、メンバーが参加して目標を立てる必要があります。
共感される目標でないと・・・
・やらされ感で仕事をすることになる
・指示されたことをするのみで、新しいアイデアがでてこない
・1on1をやっても目標達成に向けた頑張りを引き出すのが難しい
といった問題が起こり、日々の業務が優先され、会社の掲げた目標達成のための行動を引き出せません。
達成基準が明確な目標
1on1を効果的に行うためには、業務上で要求されていることやその成果について、メンバーが理解している必要があります。
目標は具体的、かつ、達成可能な内容である必要があります。
達成基準が明確な目標は、SMARTの原則に基づいて設定します。
SMARTは、以下の要素で成り立っています。
1.具体的であるか(Specific)
誰が見ても分かるよう、明確がつ具体的であること。
2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証できるから、必要に応じて目標の修正ができます。
3.達成可能か(Attainable)
一定期間内に達成可能で現実的であること。
4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
自分が所属する部署の目標が、会社の戦略・方針に合っているか確認できる。
5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。
目標の達成基準が明確でないと
・目標が単なるスローガンになって、行動につながらない
・進捗状況や達成有無が不明なため、PDCAを回すことができない
・1on1をやっても、「頑張っています」などといった曖昧な内容の話に終始し、部下の行動を改善できない。
という問題が起こり、目標達成に向けた正しい行動ができません。
1on1に適切な目標管理OKR
適切な目標の3要件を満たす目標管理がOKRです。
OKRは、複雑で変化の速い現代のビジネス環境に適した目標管理のフレームワークです。
OKRは、「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略称です。
「達成目標(Objectives 以下O)」とその達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」を設定して、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせることにより、すべての社員が同じ方向を向いて重要課題に取り組みます。
OKRのObjectiveは、組織がどのような状態になっている必要があるのかを表したもので、基本的には定性的な目標が推奨されています。
また、チームメンバーの共感を得られるような、ワクワク感があるOを設定する必要があります。
Objectiveにどのように近づいているか、という達成状況を測るための主要成果がKey Resultsです。
達成状況を測るための指標であるため、KRは定量的なものとすることが推奨されます。
定量的で計測可能な成果について、達成度を測定することで、PDCAサイクルをまわすことができます。
OKRの特徴は、個人の目標が会社全体で共有される目標管理制度であることです。
OKRの目標は、会社の目標が個人の目標までツリー状で表示されます。
会社全体の目標に対して、誰がどんな目標に責任を負っているかが分かるため、必然的に会社の目標を理解して行動します。
自分の仕事が会社の目標達成に貢献していることが可視化されるため、各自が自分の仕事の意義を感じ、エンゲージメントが高まります。
また、他部門の目標が分かるため、他者や他部門の協力を得ることができます。
OKRについてさらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
目標は適切だけど、
1on1が上手くいかないそのほかの理由についてはこちらをご覧ください。
まとめ
1on1は、上司と部下が人間関係を築きながら成果をあげる全体のプロセスです。
しかし、1on1を実施しても効果が出ないと感じる中小企業の経営者が多いことが分かっています。
1on1では、組織が目指す目標に向けて、部下が成長し、目標達成をしてもらうことを目指すため、そもそも目標があいまいだと1on1が十分機能しません。
目標達成のためには適切な目標を設定する必要があるのですが、中小企業の管理職で適切な目標を設定できる管理職は少ないのが現状です。
管理職個人の能力で目標が立てられないのであれば、そこは「しくみ」で補うしかありません。
1on1で効果を上げる適切な目標は、
会社目標全体が、構造化して分かる
個人が共感できる
達成基準が明確
という3つの要件を満たす必要があります。
この3つの要件を満たす目標管理がOKRです。
OKRは、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせ、社員が一丸となって同じ方向を向いて1つの重要課題に取り組む目標管理です。
OKRの目標は、会社の目標に対して、社員全員で目標を考えるので、適切な目標を立てられるようになります。
目標管理OKRの達成度を計測し、達成度を上げるために1on1を活用しましょう。
目標管理とは。手法やメリットを分かりやすく説明|中小企業に最適な目標管理okr
目標管理とは
目標管理は、
組織目標を達成するための組織マネジメントの手法です。
目標管理をうまく機能させると、
業績向上や人材育成、従業員のモチベーション向上などの効果があります。
一方で、中小企業においては、適正な目標設定や、評価とフィードバックをできる人材が社内に不足しているという課題があります。
目標管理の実施手順
会社全体の目標に沿った目標を設定する
まず、組織全体の目標を明確にします。
会社のミッション・ビジョン・バリュ-や、中期経営計画と整合性が取れる目標を立てます。
次に、上司と部下で話し合って、組織の目標に沿った個人目標を立てます。
期間に応じた実現可能性を意識して、適切な目標を設定します。
実行計画を立てる
目標を達成するための、具体的なアクションプランを作成します。
目標を達成するためのリソースのギャップを明確にし、どのような行動やサポートが必要かを具体化します。
スプレッドシートや専用ツールなどで目標管理シートを作成して、いつでも目標を確認できるようにします。
実行する
計画に基づいて行動を開始します。
各自が目標管理シートを定期的に確認し、目標達成のための行動を実行します。
モニタリングとフィードバック
目標管理シートや定期的なミーティングなどで、目標の達成状況を監視します。
上司は、達成状況に基づいてフィードバックを行い、改善点を見つけて目標達成を目指します。
評価し、改善する
目標の期日になったら、上司と部下で達成状況の振り返りを行います。
目標達成に至るまでの成果と行動を共有し、360度評価などを行いフィードバックを行います。
評価やフィードバックに基づいて、次の期間の目標や実行計画を考えます。
目標管理はの効果は、振り返りを繰り返すことにより効果が高まります。
目標管理の手法
MBO
日本において「目標管理」といえば伝統的に
MBO(Management By Objectives and Self Control)
のことを言います。
MBOは、1954年にピーター・ドラッカーが、著書「現代の経営」の中で提唱した目標管理手法です。
MBOでは、上司と部下で目標を共有して管理を行います。
日本では、主に社員の評価のために導入が進んでおり、必達目標の達成を目指す制度となっています。
OKR
一方で近年、日本においてもOKRという目標管理制度の導入が進んでいます。
OKRは、MBOの限界を克服しようとしたインテルで生まれました。
OKRとは、
「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」
の略称です。
OKRでは、「達成目標(Objectives 以下O)」と、
その達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」
の2つの要素で目標を設定します。
OKRでは、企業が目指すべき目標と社員一人ひとりの目標をリンクさせることにより、すべての社員が一丸となって同じ重要課題に取り組みます。
OKRは、組織全体で高い目標を実現するための目標管理制度です。
MBO
MBOの特徴
MBOは、従業員が自ら目標を設定し、その達成に向けて自己管理を行う目標管理制度です。
1954年にピーター・F・ドラッカーにより提唱されました。
日本では、1990年代後半から広がり始め、人事評価制度とともに運用されることが多くなっています。
目標達成の期間は基本的には1年単位で行われ、目標は、上司と部下の間でのみ共有されます。
日本では、人事評価の一環としてMBOが運用されるため、
目標に対する上司のフィードバックは年2回以下が主流となっています。
目標はSMARTの原則に則って設定します。
SMARTは、以下の要素で成り立っています。
1.具体的であるか(Specific)
誰が見ても分かるよう、明確がつ具体的であること。
2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証可能であるからこそ、必要に応じて目標の修正が可能です。
3.達成可能か(Attainable)
一定期間内に達成可能で現実的であること。
4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
自分が所属する部署の目標、会社の戦略・方針に合っているかを確認します。
5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。
MBOのメリット
MBOのメリットとして、一般的に次の3点が挙げられます。
目標の明確化
MBOでは、具体的な目標が設定されるため、従業員は自分の業務の優先順位を明確にし、効率的に業務を進めることができます。
動機づけとエンゲージメントの向上
目標が明確であると、自分の役割や貢献が明確になり、達成感を感じやすくなります。
これにより、モチベーションが向上し、会社へのエンゲージメントも高まります。
客観的な評価制度の構築
具体的な目標に基づいて社員の成果を評価することで、公平で客観的な測定が可能になります。
目標が達成できなかった場合でも、達成率と達成内容で従業員の取組を評価することができます。
上司と共有した個人目標に基づき評価されるため、従業員の満足度が高まります。
MBOの課題
個人の才能に依存した目標管理
MBOは、目標を自己管理するしくみです。
そのため、個人の才能の違いにより
・会社目標に対して適切な目標が設定できない。
・細かく進捗管理ができない。
・目標を達成するためのリソースがどこにあるか分からない。
などといった課題が生じます。
また、目標が人事評価に紐づけられるため、簡単に達成可能な目標を設定する傾向が高くなり、従業員の成長につながらないことがあります。
柔軟性の欠如
MBOは通常、年度ごとに目標を設定し評価しますが、現代のように急速に変化するビジネス環境においては、年度単位の目標では、変化に適応できない場合があります。
また、フィードバック面談の回数が少ないため、目標管理がうまくいっていない場合、挽回のタイミングが遅きに失するときがあります。
評価の公平性と信頼性
目標達成度に基づく評価が主観的になりがちで、公平性や信頼性に疑問が生じることがあります。
上司の評価基準や評価方法が明確でない場合、部下のモチベーション低下や不満の原因となることがあります。
OKR
OKRの特徴
OKRとは、「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略称です。
OKRでは、「達成目標(Objectives 以下O)」と
その達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」を設定します。
OKRは、個人の目標が会社全体で共有される目標管理制度です。
会社全体の目標に対して、誰がどんな目標に責任を負っているかが分かるため、他者や他部門の協力が得やすいという特徴があります。
OKRでは基本的に60%~70%の達成でよしとするチャレンジ目標を立てることが推奨されます。
このような目標を「ムーンショット目標」と言います。
ムーンショット目標もSMARTの原則に則って設定しますが、AはAmbitiousに変更して設定することが推奨されます。
1.具体的であるか(Specific)
明確で、「5W1H」がクリアになっていること。
2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証可能であるからこそ、必要に応じて目標の修正が可能です。
3.野心的か(Ambitious)
60~70%達成で十分な、野心的な目標であること。
4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
自分が所属する部署の目標、会社の戦略・方針に合っているかを確認します。
5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。
OKRのメリット
目標の共有と果たすべき役割の明確化
これからの1年間(または3カ月)で最も重要なことは何か?
会社のビジョン実現のために最も重要なことは、会社の目標達成のために日々の業務が行われることです。
OKRは、会社全体の限られた重要目標に対して、
チームやひとり一人の責任や目標が明確で、その目標は全体で共有されるため、個人のやることが明確化され、目標に集中することができます。
目標の共有により、従業員の判断基準も明確化されるため、
従業員が会社の目標に沿って、自立的に行動できるようになります。
コミュニケーションの活性化
OKRは透明性の高い目標管理制度です。
職場では、上司が何をしているか。
自分の仕事がどのように上司の目標達成につながっているか。
ということを自然と意識するため、
目標達成のためのコミュニケーションが活性化します。
OKRでは、会社の目標を達成するために、どこの部門の誰が、どのような目標に取り組んでいるかが明らかになります。
ムーンショット目標を達成するために、会社のあちこちで、同じような仕事をする人が増えることを防ぎます。
目標達成のために部門間が協力することによって組織の目標達成能力が高まります。
大きな成果をあげることができる。
OKRでは、基本的に高い目標(ムーンショット目標)に挑むことが推奨されています。
OKRで継続的にムーンショット目標に挑むため、
社員が経験から学んで成長し、一人ひとりの目標を達成する能力が高まります。
OKRは、限られた目標に集中し、他者との協力を得ながら、毎週目標の進捗をチームで共有するしくみです。
しくみの中で管理職のマネジメント能力が向上し、組織として大きな成果をあげることができます。
OKRの課題
組織文化の変革が必要な場合がある
OKRは、高い目標に挑む目標管理制度だが、高すぎる目標が「必達目標」となると、
会計偽装や性能試験の不正というような、近年日本の大企業で頻発する組織問題を引き起こします。
もともと実現が難しい目標に挑んでいるため、失敗や遅れを許し、サポートする組織文化の醸成が必要です。
人事評価と結びつけることが難しい
OKRを人事評価に結びつけると、従業員は達成可能な低い目標を設定するようになります。
そうなった場合、高い目標に挑むOKRの効果が発揮されません。
社員の反発を招く場合がある。
中小企業が新たにOKRを導入する場合、管理職を中心に負荷が一気に高まるため、導入に反発し、目標管理を行わない可能性があります。
経営TOPが必要性を伝えて、自ら率先垂範してOKRに取り組む必要があります。
成長する中小企業の目標管理にOKR導入がおすすめする理由
目標管理は、組織目標を達成するための組織マネジメントの手法です。
日本で主に導入されている目標管理は、
人事評価に紐づいて運用されることが多いMBOと、
高い成長を実現するための目標管理OKRの2つがあります。
中小企業が成長するにつれて、
・ビジョンが浸透しないことによる意思決定速度の低下
・効率的なタスク配分ができないことによる生産性の低下
・組織間のコミュニケーションの課題
・管理職をはじめとする人材開発の課題
といった経営上の課題が次々に生じます。
中小企業の場合、OKRの階層は多くて3階層で済むため、導入スピードが速いメリットがあります。
また、組織全体の目標にたいする適切な目標設定も、大企業ほど難しくありません。
中小企業がOKRを導入すれば、管理職のマネジメント能力を上げながらながら、成長を続けることが可能です。
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