中小企業が経営改善を行うための3つのポイント
経営改善するために強みを活かす
経営計画や事業計画を創るとき、
まず考えるのが「自社の強み」です。
自社の強みは、これまでの経営で培ってきた、
「自社が選ばれる理由」です。
自社が持つ商品・サービスと同じようなものが、
世の中に存在しない中小企業はありません。
似たような商品・サービスが無数にあるなかで、
何かの理由であなたの会社は選ばれているはずです。
ただ・・・
自社の強みが分かったとしても
強みを具体的にどのように活かせば成果が出るか分からない
経営計画策定支援を行っていると、
そんな経営者さんが多いように感じています。
でも、それはしかたがないことで、
強みは常に意識せずに発動している、
当たり前にあるものだからです。
先日、私が会長を務める倫理法人会で、
経営者を集めて有料の講演会を開催しました。
この講演会は毎年開催されるもので、
テーマは基本的に「経営力」に関するものです。
今回私は、自分のチームの強みを活かして、
申込者を前年度の2倍にすることができました。
今回も、私が意識したのは、
チームで成果を出すために3つのポイントに注力することだけでした。
私も含め会員は、それぞれの生活や仕事があります。
そのような制約された条件の中で、
講演会の集客で成果を出すために、
その3つのポイントだけに集中して取り組みました。
今回は中小企業が経営に強みを活かすための
3つのポイントについてお伝えします
中小企業の強みとは?
中小企業がその地域に存続できているということは、
その中小企業が開業時から積み上げてきた
何らかの強みが存在しています。
中小企業の強みとして、次の2点が挙げられます。
自社が選ばれる理由に関するもの
売上を確保するためには、お客様から選ばれなくてはなりません。
なぜ、他社ではなく、自社が選ばれているのか?
たとえばそれは、
「商品力」「接客力」「提案力」「立地」など、
様々な要素があります。
市場の中で自社が選ばれている理由を見つけましょう。
組織の実行力に関するもの
組織の実行力を簡単に言うと、
自社の選ばれる理由をお客様に届ける力のことを言います。
世の中に中小企業は数多くありますが、
同程度の売上や利益であれば、
基本的に自社が選ばれる理由に大差はありません。
自社が選ばれる理由に大差がない中で、
売上や利益に差が出てくるのは、
組織の実行力に違いがあるからです。
組織の実行力が高まれば
自社が選ばれる力を磨き、
素早くお客様のもとへ届ける力が高まります。
組織の実行力は、
人材力✕組織力✕関係力
で決まります。
人材力とは、
組織に所属する人材一人ひとりの強みです。
強みは、その人が成果をあげるリソースであり、
技術や知識や才能によって決まります。
組織力とは、
経営理念やルール、運用システムといった
組織を動かすしくみです。
関係力とは、
上司や部下、部門間の仕事についての関係性です。
自社の組織の実行力を把握して、
組織の実行力を高めましょう。
中小企業が強みを活かすメリット
中小企業の強みとして、
意思決定から実行までのの速さがあります。
正しい戦略を選択し、
その戦略にただちに集中し、
社内に浸透させることができます。
自社が選ばれる理由をさらに大きくするために、
何に集中すべきなのか。
そのヒントは自社の強みの中にあるのです。
また、強みをさらに強化する経営改善を行うためには、
組織のメンバーの強みを活かすことが重用です。
強みを活かすことを意識して、
経営を行うと生産性が高まることが分かっています。
メンバーの強みを活かして、
目標を達成していきましょう。
強みを活かして経営改善するための3つのポイント
中小企業が強みを活かし、
経営力を強化していくためには、
① 自社の強みを正しく把握する
② 正しい戦略を立て、適切な目標を設定する。
③ 目標を実現するため、強みを活かすコミュニケーションを取る
の3つのポイントに注力する必要があります。
強みを正しく把握する
強みを活かすためには、
強みを正しく把握する必要があります。
強みの把握が正しくないために、
誤った戦略を採ってしまった事例は枚挙にいとまがありません。
ビジネスモデルキャンパスやSWOT分析などのフレームワークを活用し、
自社の強みを把握するとともに、
会社に所属するメンバーの強みを把握して、
適切な戦略を採用しましょう。
チームでメンバーの強みを活かすためには、
シンプルで正しい診断を行う必要があります。
私たちは、
チームビルディングに「効き脳診断」を活用しています。
戦略や目標・タスクを決める
自社のビジネスモデルの強み・弱みを把握したら、
まずはどのような戦略・目標を採るかを決めます。
目標を設定するときは、
SMARTゴールというフレームワークを意識して設定しましょう。
SMARTは、以下の要素で成り立っています。
1.具体的であるか(Specific)
明確で、「5W1H」がクリアになっていること。
2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証可能であるからこそ、必要に応じて目標の修正が可能です。
3.達成可能か(Attainable)
一定期間内に達成可能であること。
4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。
強みを活かすコミュニケーションを取る
メンバーの強みを正しく把握し、
目標実現のために
組織として強みを活かすことを徹底していけば、
強みを活かすコミュニケーションを
取ることができるようになります。
メンバーが、
自分の強みや他社の強み・弱みを把握していれば、
自分の意見やアイデアを
否定されることなく自由に発言できるようになります。
メンバーの素直な意見交換が、
コミュニケーションの質を高めるとともに、
協力的な関係を築きます。
このような状態になると、
メンバーはお互いを尊重し、
信頼関係がつくられるため、
共通の目標に向かって協力しやすくなります。
結果として、
チームの生産性が向上します。
企業が強みを活かして経営した場合、
生産性やエンゲージメントが向上することが、
各種の調査からも実証されています。
まとめ
中小企業が存続していくためには、
自社の強みを正しく把握して活かすことが重用です。
自社の強みをさらに伸ばして、
経営力を強化していくためには、
① 強みを正しく把握し、
② 正しい戦略を立て、適切な目標を設定し、
③ 目標を実現するため、強みを活かすコミュニケーションを取る
という3つのポイントに注力する必要があります。
メンバーの強みを活かす組織になるためには、
まずは、
組織の目標を「メンバーの強みを活かす組織になる」
と設定するのが良いでしょう。
組織は共通の目標を設定することでしか、
変わっていきません。
強みを活かす力を高めるOKR&1on1
GoogleやFacebookで導入されたOKRは、
野心的な経営目標を実現するための組織マネジメントです。
野心的な目標を実現するためには、
組織で働くメンバーの生産性を高める必要があります。
組織の生産性を高めるためには、
組織に属するメンバーが強みを活かす必要があります。
OKRを導入すれば、
必然的に強みを活かす力が高まります。
1on1は、部下の育成や目標達成のために行う、
上司と部下による面談です。
上司と部下がお互いの強みや弱みを理解して
目標達成のための面談を行えば、
一人では考えつかない、効果的なアイデアが生まれます。
定期的な面談が、
お互いの強みを理解する機会を提供するので、
強みを活かす力が高まります。
中小企業が「強みを活かす経営」を行うための最も重要なポイント
経営を改善するために、人の強みを活かすことに着目する。
自社の経営を改善したいとき、
よく言われることが
「自社の強みを活かしましょう」
ということです。
しかし・・・
自社の強みが何なのか。
その強みを活かしてどう経営を改善するのか。
を考えるのは簡単でありません。
実は・・・
中小企業が経営に強みを活かすために
最初に着目することはいたってシンプルです。
それは、人の強みを知り、
それを経営に活かすことです。
人の強みを経営に活かすことが重要な理由
中小企業は大企業に比べて、
「ヒト・モノ・カネ」のどれも不足しています。
しかし、中小企業にも必ずヒトはいます。
商品やお金では、大企業にかないません。
しかし、一人あたりの生産性であれば、
勝負できることがあります。
従業員一人ひとりの生産性を計画的に上げるには、
強みに基づく教育をし、
強みを活かす組織をつくるしかありません。
調査会社ギャラップの調査によると、
経営層が「強みに着目する」という意識を持ち、
従業員が強みに基づく教育を受けた場合、
そのパフォーマンスやエンゲージメントが向上し
離職率は低下します。
OKRのムーンショットのような高い経営目標に挑むとき、
従業員に苦手な仕事を任せる余裕はありません。
従業員が得意なことで、
パフォーマンスを発揮できる組織をつくることが重用です。
人が何かを成し遂げるのは、強みによってのみである。
弱みはいくら強化しても平凡になることさえ疑わしい。
強みに集中し、卓越した成果をあげよ。出典:「マネジメント」 P.Fドラッカー
人の強みとは
人は自分の強みに気づけない
強みを活かす組織をつくろうとすると、
当然ですが社員一人ひとりの強みと弱みを
お互いが理解する必要があります。
お互いの強みと弱みを理解するためには、
相互理解のための努力が必要です。
人と人とは違う
全ての人が漠然とわかっていることだと思います。
でも、
その違いを明確に分かるのはとても難しい・・・
なぜなら
そもそも人は自分の「強み」と「弱み」さえ
明確に把握できていないからです。
こんなことを言われた経験はないでしょうか?
自分が当たり前(自然)に出来ることに対して、
「○○さんって、~~(行動など)ができて凄いですよね!!」
つまり、
自分が当たり前に出来ることは、
あなたにとっては「強み」です。
しかし逆に、
「凄いですよね!」といった人にとっては、
その行動などは「弱み」(苦手・できない)ということです。
人は、当たり前にできることは、
「出来て当然。逆になんで出来ないの?」
と感じてしまい、自分の強みに気づけないのです。
人の強みを経営に活かす診断
人の特性を調べる診断は様々ありますが、
私たちが経営改善のために組織で使っているのが、
ハーマンモデル/効き脳です。
*「効き脳」はフォルティナ株式会社の商標登録。
診断のなかにはもっと精度の高いものもありますが、
チームの人数が増えてくると、
情報が増えすぎて対応が難しくなります。
効き脳診断は、
情報がシンプルで再現性が高い点、
コスパが良い点で、
組織で強みを活かすのに優れています。
効き脳診断(ハーマンモデル)
ゼエネラル・エレクトリック社の社員教育責任者であった
ネッド・ハーマン氏によって開発されました。
コカ・コーラや資生堂などの多くの企業で、
個々の能力向上やキャリアプランの構築、
チームビルディングなどの幅広く活用されています。
脳の効き(「強み」と「弱み」)が分かります。
職場の出来事があらわになる
「利き手」や「利き目」があるように、
脳にも「利き(効き)」があります。
その脳の効きを「効き脳」と言います。
効き脳の違いにより、
思考特性(物事の捉え方)が人それぞれ異なり、
現れる言動も異なります。
「効き脳診断」はその脳の特徴を診断し、可視化するツールです。
人は無意識で自分の効き脳に従って行動するため、
効き脳が違う人どうしがコミュニケーションを取ってもうまくいきません。
効き脳のことが分かると、
仕事での得意な事だけでなく、
起こしがちな問題行動も分かります。
従業員の効き脳診断を見ながら経営者と話していると、
「どこかで彼のことをこっそり見ていませんか?」
と言われることが良くあります。
効き脳のタイプの違い
それぞれのタイプを簡単に説明すると、
次のような違いがあります。
「論理・理性脳」の人は、
論理的に物事を捉え、数量的に考える人。
「堅実・計画脳」の人は、
物事を堅実に考え、規則を重視する人。
「感覚・友好脳」の人は、
人間関係を優先的に考え、感情豊かな人。
「冒険・創造脳」の人は、
広い視野で全体的に物事を捉え、新しいアイデアを考える人
人の強みを経営に活かすポイント
「論理・理性脳」の得意な仕事
論理・理性脳タイプは、
事実を重視しながら、論理的に物事を進めます。
また、自ら高い目標を掲げ、チャレンジするのを好みます。
そのため、
財務的な仕事や技術専門職に就けると、
成長が早く、成果をあげることができます。
「堅実・計画脳」の得意な仕事
堅実・計画脳タイプは
詳細な計画を立てて、予定通りに物事を進めます。
また、リスクを避け、我慢強く根気があります。
そのため、
現場でのルーチンワークや衛生管理などの仕事に就けると、
期待に応えて成果をあげます。
「感覚・友好脳」の得意な仕事
感覚・友好脳タイプは
チームの人間関係を重視し、
豊かなコミュニケーションを取ろうとします。
そのため、
人の成長を支援する仕事や、
営業に関わる仕事が向いています。
「冒険・創造脳」の得意な仕事
リスクを恐れず、新しいことに挑戦することが好きです。
また、同時に複数のことを行うことも得意です。
そのため、
新規事業に挑んだり、
常にアイデアが求められるような仕事が向いています。
まとめ
ヒト・モノ・カネの資源が限られる中小企業では、
まず人の強みを活かすことが、
競争の激しい社会で生き抜くために重要です。
人の強みを活かすと、
生産性が向上し、
離職率が低下することが分かっています。
人の強みを診断するツールとして、
「効き脳診断」という診断ツールがあります。
シンプルで強力な診断で、
人の強みや弱みを正確に把握して、
経営に活かしましょう。
効き脳コーチングを受けませんか?
自分の強みや他人との違いを知ることにより、
強みの活かし方を理解したり、
コミュニケーション能力が向上することで、
成果があがりやすくなります。
効き脳コーチングについて詳しくはこちら