先生!
OKRを始めたのですが、成果がうまく上がりません・・・・・具体的にどのようなことが上手くいってないのかな?
KR指標の達成度は高いのですが、事業に思ったほどの変化がないのです。
ほほぉ・・
それは、目標の設定に課題があるかもしれないね。
どうすれば克服できるでしょうか・・・?
OKRの設定をうまく行う3つのポイントは
①人事評価と結びつけない
②全社で一貫した整合性がある。
③社員が強みを発揮する
OKRを制する者が、ビジネスを制します。
根気よく繰り返していきましょう。
ブログ
2023/12/10
先生!
OKRを始めたのですが、成果がうまく上がりません・・
・・・具体的にどのようなことが上手くいってないのかな?
KR指標の達成度は高いのですが、事業に思ったほどの変化がないのです。
ほほぉ・・
それは、目標の設定に課題があるかもしれないね。
どうすれば克服できるでしょうか・・・?
OKRの設定をうまく行う3つのポイントは
①人事評価と結びつけない
②全社で一貫した整合性がある。
③社員が強みを発揮する
OKRを制する者が、ビジネスを制します。
根気よく繰り返していきましょう。
目次
OKRの全体像を知り、いざOKRを導入しようと思ったが、
目標の具体的な立て方が分からない・・。
OKRを初めて、目標を達成しているけど、
成果が思ったほどあがらない。
そういった場合、
目標の設定が上手く行っていないのかもしれません。
そのような方は、
OKR導入企業の具体例や、
OKRの設定例を学ぶ(真似ぶ)と上手く設定できるようになるかもしれません。
ポイントを押さえて、何度も目標設定を繰り返せば、
適切な目標が立てられるようになります。
OKRとは、「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略称です。
OKRでは、「達成目標(Objectives 以下O)」と
その達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」を
設定します。
企業が目指すべき目標と
社員一人ひとりの目標をリンクさせることにより、
すべての社員が一丸となって同じ方向を向いて重要課題に取り組みます。
OKRは、高い目標を実現するための組織マネジメントです。
OKRは、MBOの限界を克服しようとしたインテルで生まれました。
ガリバー企業であるモトローラー社に
マイクロプロセッサ市場を侵食されたインテルは、
市場リーダーに返り咲くために「クラッシュ作戦」を発動します。
クラッシュ作戦は、インテル史上最大かつ重要な
マーケティング・キャンペーンでした。
会社の存亡に関わる危機感を醸成し、
モトローラーの挑戦に対抗するための重大な決定を下し、
全社一体で行動計画を遂行した結果、
インテルはマイクロプロセッサ市場で圧倒的なシェアを握る企業に成長しました。
具体例:インテルのクラッシュ作戦OKR
Objective(目標)
「8086」を業界最高の性能の16ビット・マイクロプロセッサ・ファミリーにする。
Key Result(主要な結果)
①「8086」の性能優位性を示すベンチマークを5つ開発し、公表する
②「8086」関連商品の全商品をリリースしなおす
③8MHz版の製造を開始する
④演算コプロセッサのサンプルを6月15日までに製作する
グーグルでは、
目標の難易度を上げて明確なゴール設定をしたほうが、
達成に向けて従業員のエンゲージメントが高まるという研究結果に着目して、OKRを導入しています。
グーグルは、「10倍成長目標」と言われるような、
簡単には達成できないOKRを設定し続けることで、
成功と失敗の両方から学ぶことを繰り返し、イノベーションを起こし続けています。
具体例:グーグル(YouTube)のOKR
Objective(目標)
1日当たりの総視聴時間10億時間を達成する
Key Result(主要な結果)
①検索チームとメインアプリ+○○%、
②ながら視聴の視聴時間数○○時間
③ユーチューブVR事業を開始し、VRカタログの動画本数を〇本にする。
スマホフリマサービスのメルカリは、
積極的にOKR導入を進めた企業であることでも有名です。
メルカリのOKR導入の狙いは、
会社と個人の方向性をそろえるためであり、
OKRは基本、企業ミッションを実現するもとのなっています。
メルカリでは、個人強みを活かすために、
ストレングスファインダーという診断を実施しています。
また、定期的にOKRを共有するために、
合宿やオフサイトミーティングを行っています。
上司と部下の間での意識のズレを防ぎ、KRの進捗を確認するため、
定期的な1on1も実施しています。
その結果、各自が「今やるべきこと」に集中し、
自分の仕事の価値を感じて仕事に取組んでいます。
具体例:メルカリのOKR(mercanより推測)
Objective(目標)
フリマアプリ上のコミュニケーションを最適化し、フリマアプリを快適な空間にする。
Key Result(主要な結果)
①〇〇年までに「わかりやすく」「感じの良い」を定量化する。
②有効回答数○○名のアンケート調査を実施する。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、
2000年にマイクロソフトの会長だったビル・ゲイツが、
「全ての人は健康で清算的な人生を送る権利がある」というミッションを掲げた、
世界最大の慈善資金財団です。
猛烈に忙しいスケジュールの中で、
迅速に意思決定する必要があったビル・ゲイツは、
財団が困難な選択をするうえでよりどころとなる仕組みが必要だと考え、OKRの導入を決断しました。
「世界のすべての子供にワクチンを」
といった究極のObjectiveに対して、
Key Resultsを設定し、測定し、改善を続ければ、目標に近づいているかが分かります。
具体例:ゲイツ財団のOKR
Objective(目標)
2040年までに世界からマラリアを撲滅する
Key Result(主要な結果)
①地域的撲滅が可能なことを世界に証明する
②必要なツールの開発により、規模拡大の準備を進める
③撲滅推進につながる環境を確保するため、現在の世界的な進捗を維持する。
OKRでは、「達成目標(Objectives 以下O)」と
その達成度を測る「主要な成果(Key Results以下KR)」を3~5つ設定します。
会社全体のOKRを先に設定し、その後に部のOKR、課のOKRというようにツリー状に設定します。
それぞれのOKRはつながっており、全体として全社OKRを実現できるような目標となっている必要があります。
まずは、目標を定めます。
OKRの目標は明確かつ定性的な目標であることが推奨されています。
定性的とは、数字では表せない理想の状態のこと。
できれば、メンバーがわくわくできるような表現になっていることが理想です。
また、少し達成が難しいくらいのムーンショット目標を設定することが推奨されています。
ムーンショット目標は60%~70%の達成が予想される少しチャレンジングな目標です。
ムーンショット目標を設定したほうが、メンバーのモチベーションが高まり、成果が上がることが分かっています。
Oが決まったら、KRを設定します。
KRは、Oの達成度合いを測るための定量的な指標です。
定量的とは、数字で表せる性質をもつ指標です。
1つのOに対して様々な視点から、そのOを達成するKRを3~5つ設定します。
KRはSMAREの法則を意識して設定しましょう。
SMARTのAは一般的には達成可能か(Attainable)ですが、
OKRにおいては、AはAmbitiousに変更して設定することが推奨されます。
1.具体的であるか(Specific)
明確で、「5W1H」がクリアになっていること。
2.測定可能であるか(Measurable)
量で測れること。検証が可能であること。
検証可能であるからこそ、必要に応じて目標の修正が可能です。
3.野心的か(Ambitious)
60~70%達成で十分な、野心的な目標であること。
4.目的に沿っているか(Relevant)
戦略実現の目的に合った目標であること。
自分が所属する部署の目標、会社の戦略・方針に合っているかを確認します。
5.具体的な期間か(Time-bound)
達成期間が限定され、期間が決まっていること。
まず、カンパニーOKRを経営者層で作ります。
自社の経営理念(ミッション・ビジョン・バリュー)や中期経営計画と整合性が取れるOKRを策定します。
会社の経営理念を、一定の期間でどこまで進めたいか?
それによってOの内容が決まります。
KRは、その期間で定めたOを達成した状態を、具体的な数値で示すものです。
全社OKRの達成期間は、基本的に1年ですが、
成長を急ぐ企業は半年で設定します。
全社OKR設定後、チームOKRを設定しますが、
チームOKRの内容を見て全社OKRの内容を修正します。
チームでOKRを決める前に、
そのチームがOKRで果たすべきミッションを決定し、メンバーのベクトルを合わせます。
チームOKRのOは、全社OKRのKRを実現することを目標とするため、
OKRに慣れないうちは全社KRをそのまま使います。
OKR設定に慣れてきたら、メンバーが「わくわくする」表現に変えていきます。
チームKRは、その期間で定めたチームのOを実現するために、
どのような状態になっている必要があるかを、具体的な数値で示します。
チームKRが全て実現した時、全社OKRは実現できるかを確認しながら、全社OKRとチームOKRの整合性を取っていきます。
二層目OKRの設定期間は基本的に半年間とし、それ以下の層のOKRの設定期間は3カ月を基本とします。
個人OKRのOは、チームOKRのKRを実現することを目標とするため、
OKRに慣れないうちはチームKRをそのまま使います。
OKR設定に慣れてきたら、自分が「わくわくする」表現に変えていきます。
個人のKRは、チームのOを実現するために、
どのような状態になっている必要があるかを、具体的な数値で示します。
個人KRが全て実現した時、
チームのOKRは実現できるかを見ながら、
チームOKRと個人OKRの整合性を取っていきます。
個人OKRの設定期間は3カ月を基本とします。
MBOをそのままOKRに移行するとうまくいきません。
OKR目標の実現度を人事評価に紐づけると、
社員に野心的な目標(ムーンショット)が生まれにくくなります。
それではOKRの有用性が失われてしまいます。
例えばグーグルは、
意識的に目標の評価結果を報酬の決定と切り離しています。
OKRを人事評価とつなげるのであれば、
ジョブ型雇用の導入など、人事制度を大きく変える必要があります。
OKRが効果を発揮するためには、
全社OKRと部門OKR・個人OKRに整合性がある必要があります。
OKRは、重要な一つのことに集中して取り組むためのマネジメントシステムです。
メンバーのなかで重要でないことに取組むメンバーが多かったり、
各部門で同じようなことに取組んでいたら、
野心的な目標は達成できません。
OKRに整合性を持たせられるようになるには、
強みを活かすリーダーシップと訓練が必要です。
辛抱強くOKRサイクルを繰り返しながら、
強みを学ぶマネジメントを学んでいけば、
整合性のあるOKRが設定できるようになります。
OKRの設定に整合性を持たせようとすると、
それぞれのメンバーが強みを発揮する必要があります。
野心的なアイデアを出すのが得意な人。
実現可能性や整合性があるかを判断することが得意な人。
会議の場でメンバーのコミュニケーションを円滑にする人。
細かい部分にまで注意が行き届く人。
これらの強みの違うメンバーが、
必要な時に必要なリーダーシップを取ることができれば、
OKRの設定に整合性をとることが可能です。
強みを活かせば、
メンバー全員が目標設定に主体的に関わるため、
メンバーの方向性も一致し、OKRの効果が高まります。
OKRを導入するにあたり、参考になる教科書をご紹介します。
OKR導入前のポイントから実践例・導入企業の紹介まで、
OKR導入の全体像がもれなく分かる書籍です。
OKRの導入や運用について分かりやすく解説されています。
運用イメージをつかむのに最適な書籍です。
OKR導入から運用までの各センテンスについて、
それぞれのポイントを具体的な企業事例を交えて紹介しています。