1on1とは
1on1ミーティングとは |
1on1ミーティングとは、一般的に上司が部下の育成やモチベーション向上を目的として、定期的・継続的に行う個人面談です。 米国のシリコンバレーのベンチャー企業では、当たり前の習慣として実施されてきた1on1 ですが、近年では、ヤフー株式会社などの国内の有名企業が取り組んでいることで、日本においても100名以上の企業の実に70%以上の企業が導入しています。 |
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成果が出る1on1の捉え方 |
一方で、1on1 ミーティングを導入しても、上司の力量次第で、「実施前後で変化が見られない」、「上司の負荷の高まりや、部下の満足度の低下により1on1が形骸化する」などの課題が見られます。 これは、特に1on1導入企業のうち、面談だけ行う企業に起こりがちです。 一般的に1on1というと、上司と部下の1対1の面談(1on1ミーティング)をイメージしますが、1on1とは、上司と部下が『人間関係を築きながら成果を出すための全体のプロセス』を指す言葉です。 1on1ミーティングだけでなく、面談以外の場で、日常的に部下の成長を促進するために、上司は部下と関わり続けることが重要です。 |
1on1が注目されている背景 |
1on1が求められている背景として、主に次の2つが理由として挙げられます。 <変化が早く予測が難しい時代への対応> 未来の予測が難しいなかで、上司には、部下を成長させることで成果を出し続けることが求められています。 部下が自分で考えて動けるようになれば、変化し続ける環境に対して、スピード感をもって対応できるようになります。 <優秀な人材の離職防止> 上司と部下の信頼関係を高め、成長を実感できる組織は、会社へのエンゲージメントも高く、離職防止効果が期待されます。 |
中小企業が1on1で得られる効果やメリット
振り返りやフィードバックによって、社員の成長につながる |
人的資源の限られる中小企業では、管理職は名ばかりで、プレーヤーとして動いている時間が多いため、いつまでたっても管理職のマネジメント能力は成長しません。 1on1に継続的に取組むことによって、管理職がマネージャーとしての役割を果たすようになり、上司のマネジメント能力が向上します。 また、部下も、継続的な面談による振り返りや、改善点に関する気付きを通じて成長していきます。 |
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離職率の低下 |
仕事として制度化された1on1は、気の合わない苦手な部下や、苦手な上司と継続的にコミュニケーションを取るうえで役立ちます。 また、1on1を通じて、若手や優秀な中堅社員の成長意欲やキャリアビジョンに応えることができるので、人材が定着する組織になります。 |
マネジメントに好影響を与える |
1on1を導入・浸透させるためには、ビジョンの設定や他の人事評価制度との関係性を再設定し、上司に研修をするとともに、運用方法を模索しながら実施していくこととなりますが、大企業では、導入までに時間がかかるうえ、もともとマネジメントに取組んでいるためマネジメントへの影響は限定的です。 それに対して中小企業では、トップが先頭に立って導入を進めれば、1on1導入スピードは速く、上司のマネジメント能力が向上するため、マネジメントに好影響を与える確率は高くなります。 1on1の浸透が進むと、上司は部下一人ひとりに適したアドバイスや、業務の分担、環境整備ができるようになり、生産性のアップとワークライフバランスの実現が可能となります。 |
組織全体の生産性が向上する |
問題が複雑化し、正解がない時代において、1on1の双方向のコミュニケーションによって、上司と部下でともに最適解を見出すことができるようになり、組織の問題解決力が向上します。 |
1on1の実施目的
1on1は、部下の成長を促進させながら、実際の課題解決を同時に行い、組織で成果をだすために行います。
部下の失敗や、成果が出ない状況をそのままにせず、上司が部下から教訓を引き出し、学びを試す場を見つけて実際に試してみるという、学びのPDCAサイクルをまわしていくことで、部下が成長しながら、成果が出るまで行動を続けます。
1on1を実施する際の注意点と解決策
時間的負荷が高い |
1on1は週1回~月1回、1回30分~1時間の時間をかけて実施します。 「1on1に時間を取られて仕事ができない」 1on1をうまく浸透させるためには、社内の心理的な抵抗をどう超えていくかが重要です。 <解決策> |
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上司のコミュニケーションスキルによって成果が変わる |
1on1で成果をあげるためには、信頼関係の醸成や、効果的な質問が重要であり、そのためには、部下の成長を支援する態度や、コーチングスキルなどのコミュニケーション能力が必要ですが、中小企業では、コミュニケーションスキルの研修をほとんど受けることは無いため、上司の能力次第で1on1の成果に差が出てしまいます。 <解決策> |
効果が出るまで時間がかかる |
1on1ミーティングを効果的に行うためには、信頼関係の構築が欠かせませんが、信頼関係は一朝一夕に深まるものではありません。 また、人は様々な仕事の経験を積み重ね、概念化することによって徐々に成長していくため、一回の1on1でいきなり成果があがることは稀であり、このことが、メンバーの負担感につながります。 <解決策> |
1on1導入の進め方
新たに1on1を導入する場合、次のステップで導入を進めます。
1on1で話すことは?1on1テンプレートの概要を紹介
人はそれぞれコミュニケーションスタイルが異なるので、1on1をそのまま始めると、成果は上司の能力に左右されてしまいます。
そのような事態を避けるために、次のような1on1テンプレートを使って、型どおりの面談を行いながら、必要な知識を身につけていけば、誰でも成果があがる面談を行えるようになります。
1.共感&信頼を生む声かけと目的の確認 |
この時間は部下のための時間であること、現在の仕事で困っていること、心身の健康状態や家庭の状況のこと、希望するキャリアプランなどざっくばらんに話します。 |
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2.テーマの確定 |
今日話し合うテーマを確定しますが、このテーマが本当のテーマとは限らないことを頭の片隅においてセッションを始めます。 |
3.現状の確認 |
テーマについて、現状を確認します。 |
4.ビジョン・目的・目標の確認 |
テーマについて、将来どのような状態になりたいか。いつまでにその状態になりたいか。を確認します。 |
5.選択肢の模索 |
質問を通じて、部下が持っているリソースの中で、何をするか?何をやめるか?どこにリソースがあるか?を考えてもらいます。部下のリソースが不足している場合には、必要に応じてティーチングを行います。 |
6.アクションプランの決定 |
選択肢の中から期間内に実施する項目と順番を決定します。 |
1on1を効果的に行う4つのポイント
1.ミーティングシートを活用して、話す内容を準備しておく |
限られた時間で1on1を効果的に行うためには、ミーティングシートを活用しましょう。 ミーティングシートに聞くことなどを定型化することで、上司のコミュニケーション能力のばらつきを補うことも出来ます。 |
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2.上司のコミュニケーション力を育成する |
1on1は上司が一方的に話したり、部下の話をただ聞くだけではうまくいきません。 研修やトレーニングを通じて、上司の才能に頼らないコミュニケーションスキルを身につけます。 |
3.一人ひとりの特性に合わせてサポートする |
人はそれぞれ違うため、成果を出すコミュニケーションの取り方も人それぞれです。 次に、部下のスキルの習熟度やコミュニケーションスタイルを知り、部下それぞれに適したコミュニケーションやアドバイスを行います。 |
4.面談以外の場でコミュニケーションを取る |
1on1というと、上司と部下の1対1の面談(1on1ミーティング)をイメージしますが、面談以外の時間も1on1に含まれます。 1on1が終わったら、上司・部下とも振返りをし、次の1on1までにどう過ごすかイメージをします。休憩中や仕事中のちょっとした時間に、上司から1on1で話し合ったことの進捗を確認し、場合によっては短時間の1on1を行います。 継続的な対話が、部下との相互理解を深め、信頼関係を高め、部下の成長を促します。 |
まとめ|1on1の目的を浸透させ、効果的な運用を
1on1を導入する際は、ポイントを押さえて行えば企業全体で様々なメリットを得られます。
中小企業が効果的な1on1を行うためには、外部の専門家の力も借りながら、1on1実施の目的を組織に浸透させ、コミュニケーション研修を行うなどの環境づくりが重要です。